2月22日、ステージ4の舌がんを公表したタレント、堀ちえみさんが東京都内の病院で手術を受けたというニュース。
堀ちえみさんのご主人が公式ブログで「無事に終わりました」と報告されました。
頸部リンパ節の切除・舌の6割を切除し太ももの組織を移植し、舌の再建と11時間に及ぶ手術だったようです。
別の記事で、舌がんはいつ治るかという内容をまとめてみました。
この記事では、堀ちえみさんが話せるようになるにはどのようなリハビリが必要か調べました。
結論から言うと以下のようなことが分かりました。
手術後すぐに思い通りにおしゃべりができるようになることは難しい。
構音障害の著しい改善(正しく発音できるようになる状態)は、術後6ヶ月から1年、場合によっては、それ以上かかることもあるようです。
また、数年経ってから口の中や発音が思わぬほうへ変化してしまうこともあるので、都度のリハビリが必要になる。
詳しい内容を、インターネットの専門サイトから抜粋してまとめています。
記事の内容
舌がんの手術後にはどのような障害がでるのか?
専門的なことは、安易にかけませんので、詳しいサイトで調べてみました。
静岡県立静岡がんセンターの情報を参考にまとめました。
【舌がん術後の障害について】
・舌は会話をしていくための動きや音を作り出す筋肉。
・舌がんの場合、がんの進行度によって切除する範囲が違う。
※堀ちえみさんの場合、舌の6割を切除。・舌の1/2程度の切除では発音の障害(構音障害といいます)や飲み込みに関する障害は軽い
・切除する範囲が深く広くなるにつれてこれらの障害の程度が強くなる。・構音障害の特徴として、タ行、ダ行、カ行、ガ行などの発音の明瞭度が低下。
・母音ではイの発音が不明瞭。
・唇がうまく動かない場合には、パ行、バ行、マ行の発音も不明瞭。
・舌をどの程度切除したか、再建術を行ったかどうかなどによって、構音障害の状況に違い。
・術後は、それぞれの患者さんの特徴をふまえて、評価をしながら対応を行う。
・部分切除の場合は、数ヶ月で構音障害は軽快。
・構音障害の著しい改善は、術後6ヶ月から1年。
※場合によっては改善に長期間かかる場合もある。~出典:静岡県立静岡がんセンターHPより~
文中の構音障害(こうおんしょうがい)についてはウィキペディアに詳細が出ていました。
※構音障害(こうおんしょうがい)とは、発音が正しく出来ない症状を言う(「構音」とは医学的用語であり、言語学上では「調音」と言う。一般には「発音の操作」と理解される。狭い意味では咽頭以上の音声器官の操作を言う)。喉頭の障害である音声障害とは区別される。
~ウィキペディアより~
舌がん術後はどのようなリハビリがおこなわれる?
引き続き、静岡県立静岡がんセンターの情報からです。
構音障害に対する訓練として、運動機能訓練と構音訓練があります。訓練は、言語聴覚士(ST)を中心に行われます。
【運動機能訓練】
残っている舌の部分や舌根部の運動機能、頬や口びるの筋肉による補助的な動きを強化するために行います。
◎ くちびるの運動
くちびるをとがらす(ウと発声)、横に引く(イを発声)。
◎ 舌の運動
前に突き出す、左右の奥歯につけるように意識して舌をあげる、舌を左右に突き出す。
◎ 下あごの運動
開く・とじる、あごを左右に動かす、左右の口角をなめる、くちびるのまわりをなめる など。
【構音訓練】
簡単な音や障害されていない音から始めるのが原則。
障害のある発音を五十音の発音、単語訓練とすすめていく。
舌の切除で本来の構音動作ができない場合には、舌の代わりに上の歯と下のくちびるでタ行やダ行の発音をつくるなどの方法を行う。
また、ゆっくり話す、区切りながら話す、丁寧に話すなど話し方を工夫する。
どのような懸念があるのか?
どのような症状が残るのかについては、昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科のサイトを参考にまとめます。
リハビリについても、前出の内容と一部、重複になりますが記載がありました。
「舌の手術を無事に乗り越え、退院もできた。仕事に戻りたいが、うまく発音ができない。このままでは話が通じるのか不安。」
「手術後に嚥下障害があったが、食事は出来るようになった。あとは、ことばが気になる」
「手術したので元の通りには話せないといわれた。でも、できることならもう少しはっきりと話せるようになりたい」
これらは術後の患者さんからよく聞かれる言葉です。
舌がんは手術後でも外見からは分かりにくく、他の部位のがんに比べて認知度がそれほど高くないため、周りの理解が得られにくいという問題があります。
お店の店員さんに質問をしたら発音の様子に驚かれてしまったり、家族や友人に何回も聞き返されたり、電話で相手に話が
通じなかったりすることがあるという患者さんは多く、話したくなくなったり、出かけるのが億劫になっているのが現状です。そのような舌がん術後の発音の問題に対して、発音訓練や発音補助装置による治療を行っています。
【手術後すぐ必要な訓練は】
手術後は、手術した部分が硬くなって動きにくくなったり、つっぱったりします(瘢痕化)。手術後早期に瘢痕化が始まるので、
傷口の状態が落ち着いたらすぐにストレッチを始めることが重要です。ストレッチの力加減は気持ち良いだけでは弱く、痛いだけでは強過ぎ、「痛いけれど気持ち良い」くらいが適切と言われています。舌がんの手術と同時に首の手術も行うことがあるので、当科では舌や首などのストレッチの方法を外来でお伝えし、家庭でも継続していただいています。
また、とにかく話して口や舌をたくさん動かすことがリハビリになります。
【次にどのような訓練をするか】
残された機能を最大限に引き出すような発音訓練を行っていきます。
発音には舌の細かい動きが必要です。
手術によって舌の形が少し変わるだけでも発音がしにくくなります。
手術後の発音の状態は、舌の切除範囲の大きさや、切除部位、残った舌の動き具合などによって人それぞれです。
手術後のお口の環境に合った発音のしかたを新たに身につけることが必要になります。
言語聴覚士が手術後の発音の状態を専門的に評価し、それぞれの方に適したトレーニングをお伝えしています。
舌の動きを改善する舌運動訓練や、よりクリアに聞こえる発音の仕方、相手に伝わりやすい話し方のコツを身につけるトレーニングなどを行っています。
必要な方には上あごに装着する発音補助装置(舌接触補助床)を作製するなど、歯科医師と言語聴覚士がタッグを組んで1人ひとりに合った対応をしています。
手術後すぐに思い通りにおしゃべりができるようになることは難しいかもしれません。
数年経ってから口の中や発音が思わぬほうへ変化してしまうこともあります。
リハビリをすることによってまた少しずつ改善していくことが多いです。
~引用:昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科HPより~
堀ちえみさんのブログ内容
堀ちえみさんのブログを見てみると、言葉こそ話せませんが少しずつ回復されている様子が分かります。
術後の様子を、こんな風に詳細にブログに残している芸能人の方は少ない気がします。
<2月26日のブログより>
術後はICU(集中治療室)にて、お世話になりました。
思っていた以上に辛く、挫けそうにもなりましたが、スタッフの皆様の手厚い看護のお陰で、乗り越える事が出来ました。
「負けてはいけない!」と、何度も心を奮い立たせ、頑張りました。
そして一昨日あたりからは、日毎に回復の兆しを感じる事が、出来るようになりました。
<2月28日のブログより>
昨日手術後初めて、声を出す事が出来ました!
首のリンパの腫瘍を、取り除く手術をした際に、同時に喉を切開して、そこで呼吸をしている状態でした。
昨日までは空気を、鼻から出す事が出来ず、切開した喉の方へ。
そうした事から、声を失った状態でした。
それを昨日の午前中、声が出るように施して頂きました。
もちろん話す事はまだ出来ませんが、実際に自分の声を聞いて、とても安心しましたし、何よりも嬉しかったです。
「あーっ」と声を出してみて、久々に聞いた自分の声。
その声が耳に残って消えません。
<3月1日のブログより>
昨日の夜は主人と、社会人の息子あきひろが、顔を見に来てくれました。
術後あきひろは初めてなので、寝込んで動けない私を、想像していたみたいです。
術後一週間程で、しっかり動いている、私を見て驚いていました。
今日は首のリンパに転移した腫瘍を、切除した時の首の抜糸をして貰いました。
↓堀ちえみさんのご主人や子供さんについての記事
まとめ
ネットニュースでは、堀ちえみが舌がん手術、医師「話せるようになるには2~3カ月」という内容も見られましたが、実際にはもっと時間もかかる模様です。
手術後すぐに思い通りにおしゃべりができるようになることは難しい。
構音障害の著しい改善(正しく発音できるようになる状態)は、術後6ヶ月から1年、場合によっては、それ以上かかることもあるようです。
また、数年経ってから口の中や発音が思わぬほうへ変化してしまうこともあるので、都度のリハビリが必要になるようです。
話せることが出来るのは、時間と努力が必要であることがわかりました。
↓まとめ記事はこちらです。